web florva不定期日記

見えないものは見えない。見えているものも見えない。

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夜薔薇パイプ香るころなれや

昼酒も罪の色なる春の空

花韮の花咲きにける夜の庭

軒際の鉢も濡れけり夜の雨

温かき雨の寒さや春の雨

自転車に乗りてゆく制服春の警官

砥草五十年我ひとりいる夜明けかな

夜の煙草薔薇の芽の色わかたず

仕事残して帰る我なり如月満月

　　　天明の古人夢中吟に
　　　春雨やもの書かぬ身のあハれなる
　　　とありけるに

春雨やもの読まぬ身に草の色

春雨や恋しきものあり道の朝

春雨や差されぬ傘の横たわる

さざんか落花して春のにおいか

　　　背中の治療完了

めあめあとないてとまある春寒風

死にし身を咲いて花ある沈丁花

慚愧して心地よき夜や沈丁花

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