Reptile / Eric Clapton
Reptile(2001)
人間はなぜ人間とは何であるかを知りたがるのだろうと、ときどき考える。
「人間はなぜ人間とは何であるかを知りたがるのだろう」という問ですら、「人間とは何であるかを知りたがっている」問なのであるのだが。
アルバムタイトル曲の「Reptile」が気になって、エリック・クラプトンのアルバムを初めて買ったが、
「Reptile」以外は、なぜ自分がこれまでエリック・クラプトンを聞いてこなかったかを教えてくれる曲ばかり。
「Reptile」はなぜか気になる。
スティーブ・ガッドのドラムが入ると、誰のアルバムでも同じように聞こえてならないし、
ガッドの唯一の欠点はそこなんだろうな。
クラプトンの思いと、ガッドの淡々とした完成度が齟齬をきたしているように思える。
ブルース、ブルースした他の曲に対して、この曲の淡いセンティメンタリズムと、淡々としたガッドのリズムが、好きでもないのに気になる感じを生み出しているような気がする。
人間は、自分が何であるのかを知るための存在ではないのだが、なぜが知りたい気がしてならない。
知ろうとしてもそう易々と知ることはできないのだが、気がつくとなぜかそのことを考えていて、
考えていることに気づくと考えることをやめようと思うのだが、次の瞬間にはやはり考えていて。
そういった、好きでもないのにそうしてしまうあたりが、「Reptile」なのかもしれないと思ったりする。
もうちょっと、クラプトンの他のアルバムも聴いてみようかと思う。
と思った次の瞬間には、やはりいいか、と思ったりする。
今の私には、そんな存在のクラプトンなのか、な。
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