8月は前半たいへんで、何かを考えたりできなかった。
思想とは何か。
この命題で思いつくのが、共産主義思想の凋落である。
しかしながら、思想とは主義のことなのだろうか。
共産主義も自由主義もじつは経済に対するひとつの立場であれば、それが正しいか正しくないかは、人々の経済活動の実際に適合するかしないかということの言い換えになるだろう。
じっさい、ソビエト共産主義は経済の行き詰まりによって崩壊し、中国共産主義は資本主義経済に修正しつつある。
今、人々が拠って立つ思想というものがあるのか。
多くの人々が自らの考えや感想や反応といったものを、発信する機会を手に入れた今、思想というものが人々の準拠するに足るものとして成立しうるのか。
あるいは、そうした自らの考えを発信していると考えている人々を、さらに大きく包み込んでいるものが思想であると、私たちは考えることができるのか。
つまり「無思想の思想」といったものが、成立するのか。
8月の終わりに、問題提起だけを、取り敢えずしておく。
この項、つづく。
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