またしてもひと月以上空いてしまった。
忙しかったのかというと、忙しかった。
ふだんの1.5倍だけ忙しかった。
それだけで何かを考えたり、言葉にすることがおっくうになる。
体力がついていかない。
なんだか寂しいが、これが2倍の仕事量になったら、仕事すらできなくなる。
さて、仕事とは別の話。
今、バルトークの「中国の不思議な役人」をやっている。
各所に「春の祭典」を意識したような響きが聞こえるのだが、スコアは「春の祭典」より単純に見える。
もちろんそれは、細かい音符での変拍子が、楽譜上少なく見えるというだけだが。
しかし、バルトークの音楽は楽譜を音にするだけではなかなかできあがらない。
いやそんなことは、どの、だれの、曲でも一緒なのだが、
バルトークの場合、スコアの遥か上に特殊な倍音が響いているような気がしてならない。
スコアリーディングだけでは、読み取ることのできない、不思議な音響が、あるいはそれは気分と言ってもいいものかもしれない、ただよっている。
それがバルトークの難しさ、演奏も聴取も、なのだろうか。
バルトークは夜の音がよく聞こえたという。
遠くの森でなく獣の声や、数十分後に訪ねてくる友人の足音を、確実に聞き取ったという。
バルトークの音楽を覆い、ただよう不思議な音響、倍音が、そんなこともあろうと信じる気にさせる。
そういった音響、倍音が出せる演奏に仕上げたい。
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