なぜ足に指があるのだろう。
手指との類似性から、私はそう考えてしまう。
手指と比して、あまりに無能であり、無能ゆえに無防備な足指。
たとえば性器は、私たちの「文化」や「文明」の中では
「わずかに見えるもの」として阻害的な扱いを受けてきた。
「文化」や「文明」の中で無能であり無防備であるものこそが、
私たちの「セクシャリズム」を担ってきたのだとすると、
足指のセクシャリティはそうそう看過できないものである。
私たちの足は歩くことに特化されてきた。
その中で足指は、解剖学的、運動生理学的見地ではなく、
実地の肉体感覚からして、
有意義であるようなないような、そんな位置にある。
そのことが、私たちの性的官能を導きだすとすれば、
足指の意義ではなく、私たちの性的官能の持つ意味が、
少しずつ開かれていくのではないか。
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