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web florva不定期日記

見えないものは見えない。見えているものも見えない。

少年−犯罪〜「大人」/「子供」

私自身は「大人」なのであるのか。そしてそれはどういう根拠にもとづいているのか。

先に私は、
> 江戸時代であれば、十歳に満たずに元服式を行い家督を継ぐ者がいる一方で、三十を過ぎても前髪も剃らず(剃れず)に部屋住みの悲哀を託つ者もいたのに。
と述べたが、それは武士の話であって、それ以外の階層ではどうだったのか。
「町人」であれば、3〜5歳で奉公に上がり、お仕着せを頂いて丁稚から手代、番頭へと、いったいどの段階で「大人」と認識されたのか。
農民であれば・・・・? 職人であれば・・・・?
古語では「思慮分別のある年長者らしい。主だっている。」というのが、主な用法である。

私は「大人」に対して、そうはならない努力目標としてとらえていた。
つまり「ああいう大人にはなるまい」、あるいは「ああいう大人になるくらいなら、大人にならない方がましだ」。
もう30年近く昔のことだ。
しかし今私は自分が「大人」か「子供」かというと、(たぶん)「大人」だ(ろう)と規定する。
それは、自分より「子供」である存在のほうが多くなったからだという気がする。
「大人」/「子供」の規定とは、そうしたものなのだろうか?

私がこの項について気が重いのは、たぶん次のような理由による。
つまり、答えは明らかなのに、答えにいたる道筋が見出せない、ということ。

その答えとは、
「大人とは、社会に対して責任を負い/負わされ、その責任を果たそうとする者」であり、その「責任」の中には「子供に対する責任/子供を善導する責任」も当然のように含まれている。
ということである。

このことはどの時代でも、どの地域でも共通したことであると思う。
つまり「子供の不行跡は大人の責任」であり、その責任において「大人」は「子供」を罰しうるのである。
何をもって「大人」であるとし、「子供」であるとするかはさておいて、
「大人」と「子供」という区別のある世界において、「大人」は「子供」に対して責任を負い、反対に「子供」は「大人」に対して無責任であるが義務を負う、のではないか。
そして、それはとりもなおさず「大人」と「子供」の定義になっているのでないだろうか。

「大人」が「子供」に対して責任を負うというのは、「子供」の犯罪のすべてが「大人」の責任であるということとはちがう。
しかし「子供」を「育てた」という責任は「大人」にしかない。
その責任において「大人」は「子供」を罰するのである。
もちろんこのことが「子供」に対する罰がつねに軽くなければならないことにはならない。
「大人」の手に負えない「子供」は、「追放」されることもあり得る。

しかしこの道筋が、今、どのように存在し、たどることができるのか、私には見えないのである。
このことが(たぶん)私の気を重くしている最大の要因であるように思える。

「子供」とは、自分のDNAを引き継いだ者、つまり自分の性行為の結果生まれた存在だけをいうのではなく、社会的存在としての「子供」も含まれることはいうまでもないだろう。
子供が親の手に負えないことをしでかしたとき、親はどうすればよいのか。
親子の縁を切った(つまり勘当)上で、迷惑をこうむった人々に謝ってまわるか、もはや勘当したからと責任をチャラにするか。
いずれにせよ、それが「大人」の行動であったのではないか。

こう考えたとき、少年法の改正(やその議論)がどれほど「大人」の「腹のくくり方」に基づくのか、私にはうまく見えない。
犯罪を犯したとき、その犯罪の程度に応じて罰されなければならない。それは当たり前のことである。犯罪を犯した者が「子供」であってもだ。
そして罰するのはいつでも「大人」であるし、「大人」でなければならない。
しかし、その「大人」がどれくらい腹をくくっているか、私には見えてこない。
それが、私に不透明感を与え、私の気を重くしているような気がするのである。

この項、また考えがまとまれば、つづける。
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